肖像画によって、その当時のファッションや装身具類の着け方がわかる、と言われます。しかし、描かれている人物は王室や貴族、豪商、高級役人など、肖像画を注文できるほどのお金持ちです。そのファッションや、身に着けているものは、一般庶民とはほど遠かったであろうことは理解しておく必要があります。
さて、この絵(写真1)はスペイン王フェリーペ4世お抱えの宮廷画家、ベラスケス(注1)が1652年から1653年にかけて王の娘のマリア・テレーサを描いたものです。画中にある、2個の時計を見てください。この時代は、ウエストから時計を下げていました。また、この頃の女性に流行ったファッションに蝶結びがあります。
絵から判断しにくいのですが、王女のウエストの部分ではリボンが蝶結びされ、そこからチェーンではなくリボンで時計が下げられています。 |