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第32号 「The Big American neckpiece」

タイトルは「偉大なアメリカのネックレス」という意味で、オットー・クンツリ氏の作品である。ステンレスのワイヤーにつながれたもの(写真1)で、これをばらしてみると写真2のようになる。

よく見ると、右側の中央にドルのマークがあり、その下は自由の鐘、ダビデの星(ユダヤの人々)ハート、十字架等々アメリカを形作っているシンボル13個が連なっている。個々の大きさは約8cm、かなり大きなもので、これを首にかけると当然一番下に、すべてのシンボルが集まり、お互いにすりあい、もみあい、キズつけあうことになる。

ここまで書けば、このネックレスのタイトルの意味がはっきりとしてくるだろう。「人種のルツボ」と言われるアメリカの状態や、苦悩を表している。

オットーはまた、別のアメリカのシンボルを集めたシェリフの黄金バッジも作った(写真3)。それで、ここには十字架、星(アメリカの国旗にも使われている)、そして三角形はアメリカの恥部でもあるクー・クラックス・クラン(白人至上主義を唱える秘密結社)の覆面だ。左右の丸みはミッキーマウスの耳、中央はどくろで、全体の大きさは9cm位ある。このバッジを作った翌年の1992年には、オットーはこれを約2mx3mのポリエステルの布に染め抜き、アメリカの新しい国旗として発表し(写真4)またそれを建国100年の記念切手にも仕立て上げてしまった(写真5)。

写真1 人種のルツボのアメリカを表している。
写真2 1個1個を広げてみた様子
写真3 西部劇のシェリフのバッジに見立てたブローチ
写真4 この布の大きさは2mx3m
写真5 もちろん本物そっくりの切手に見える

(写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます)

06/04/10

写真1
写真1

写真2
写真2

写真3
写真3

写真4
写真4

写真4
写真5


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